10月文化財懇談会
10月12日(水)10月の文化財懇談会が開催されました。今回の講師は、静岡県地域史研究会 幹事 岡村龍男様をお迎えしました。、古文書から明らかになる静岡茶について再考したことをご講演くださいました。演題は、「御用茶、茶一件、横浜貿易、 ~江戸時代の静岡茶再考~」です。江戸時代をご専門とする先生ならではの切り口で、静岡のお茶がどのような努力でこのように重要な産業となり得たのかを、古文書をあらためて紐解きながら再考されました。キーワードは「由緒」です。足久保も幕府の御用茶を35年にわたって扱いました。その後駿府の御用茶が100年余続きました。「幕府の御用茶を務めた」という由緒が大事な時代であったとのこと。大権現家康様とのゆかりを背景にさまざまな要求を実現させてきた歴史があるとのことでした。流通を真剣に考えるきっかけとなった茶一件も大事なできごとであったと話されました。茶の製法を伝授した書物が青森県の弘前から見つかったことも新たな発見の手がかりになるとのことでした。古文書を紐解き、新たな視点、考え方から再考することの大切さを学びました。ありがとうございました。