「徳川家と静岡浅間神社」好評開催中!
1月3日から開催している企画展「徳川家と静岡浅間神社」、
おかげさまで多くの皆様にご来場いただいています。
今回は、企画展ポスターにも登場しているこちらの資料をご紹介します。
静岡県指定文化財「紅糸威腹巻」(静岡浅間神社蔵)
腹巻とは、簡易な鎧の形式の一つです。
天保14年(1843)に成立した『駿国雑志』巻之四十五下の「浅間社」の項には、
「東照宮御鎧初の御鎧有り、緋威、金具菊透彫、是国主今川義元調進する処也」
と記されており、今川家の人質であった竹千代(のちの家康)の鎧着初(よろいきぞめ)のために今川義元があつらえたものであると伝えられています。
現在は退色していますが、造られた当時は紅花染めの威し糸が目に鮮やかだったことでしょう。
総高約62センチと全体に小振りな造りは、少年竹千代の姿を思い起こさせます。
少し近づいてみましょう。細部の金具まで丁寧な細工が施されているのがわかります。
竹千代は、今川家の軍師雪斎から一流の教育を受けるなど、
その待遇がただの人質以上のものであったといわれていますが、
竹千代のためにあつらえられたこの鎧の作りからも、それをうかがい知ることができます。
こちらは、普段なかなかご覧いただけない背面からの写真です。
中央部には同仕立ての「背板」(鎧の継ぎ目を覆う部位)が完備しており、
これも類品が少なく貴重なものです。
今回の企画展では、背面もご覧いただけるように展示しておりますので、
ぜひじっくりと鑑賞してみてください。
企画展は、2月15日(日)まで開催しています。
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