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2011年8月23日 (火)

8月のピックアップ展示

静岡市文化財資料館では、収蔵品の中から、毎月一つの資料をピックアップしてご紹介しています。

今月のピックアップは‥

「蜻蛉塗(せいれいぬり)」です。

Seirei (写真:「蜻蛉塗 茶箱」静岡市所蔵)

「蜻蛉塗」とは、漆の変わり塗りの一種です。大正5(1916)年、静岡工業試験場の技師が創案しました。

呂色漆(ろいろうるし:油分を除き精製した黒漆)にアルコールなどの反発剤を適量加えて水面に滴下すると、トンボの翅(はね)に似た網状の文様が生じます。

これを用意した漆器の表面に転写し、微細な金属粉を蒔き付けて仕上げます。

Seireimonyou (写真:蜻蛉塗の文様)

漆の質、溶剤や漆を水面に落とす分量などに長年の勘と高度な技術が必要とされます。

この技法に改良と工夫を加えて発展させた八木秀三郎氏(故人)は、地方工芸史上重要な地位を占めるものであるとして、昭和46年に静岡市無形文化財保持者に認定されました。

今月は、八木秀三郎氏の手による蜻蛉塗3点(茶箱・文箱・硯箱)を展示しています。

~駿河漆器について~

静岡では、古くから漆器が生産されてきました。登呂遺跡からの出土品にも、漆が塗られた器が見つかっています。

静岡に漆器が根付いた要因は、江戸時代、浅間神社造営により各地から集められた職人たちが定住し、漆芸技術を教え広めたことにはじまるといわれています。享保年間には、幕府の商業政策のもとで保護を受け、諸侯の参勤交代の折の土産物として広く知られるようになりました。

明治・大正時代に入ると、低価格で精巧な日本の漆器は海外からの注目を浴びるようになり、静岡は輸出漆器の一大産地となりました。駿河漆器の特徴である多様な変わり塗りが開発されたのもこのころのことです。

現在も、高い技術水準を保ちながら、数多い技法を有して、豊富な品種とともに駿河漆器の製品は作られています。

(参考『静岡市の地場産業「事始」』 静岡市地域産業課発行)

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